作品名 : 「 MASSIVE SPEEDER : Why We Fight 」
尺数 : 90秒
この作品は、第3回福岡ゲームコンテストゲームムービー部門に出品するために制作を行いました。
立体視対応ゲームのプロモーション映像という設定で制作したものであり、激しいアクションを主な内容としています。また、オープニングでは映画やゲーム等によくあるブリーフィングシーンがあり、それもこの作品の雰囲気を作り出すひとつの要因となっています。
あらすじ
――――― 植物をバイオ兵器とし、植物の繁殖能力を攻撃力として地球へ侵攻する異次元生命体。
プレイヤーは異界からの攻撃を迎えるため近接戦闘兵器として改造されたクローン兵士
" SPEEDER "となり、強化された個人戦闘能力で局地戦を戦う。必要に応じて人型装甲機動
兵器との協同作戦、場合によっては、そのパイロットとなり都市部における拠点防衛戦を展開する。
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1.1. 両眼視差立体視
両眼視差とは右目と左目の見る位置の違いからうまれる視差の事をいいます。
注視点よりもオブジェクトが手前にある場合は、オブジェクトが飛び出して見えます。反対に、注視点よりも奥にある場合は、画面よりも奥に感じられます。
左の図のように、右目を点A、左目を点B、注視点を点C、辺ABの中間点を点Oとします。その場合に、辺ABと辺OCの比率がAB:OC= 0.05:1となった場合に理想的な立体視となります。
図1-1 両眼視差
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2. 液晶シャッタ方式
2.1. 両眼視差立体視の投影方法
両眼視差立体視では右目用の画像は右目に、左目用の画像は左目に投影させる必要があります。そのための投影方法は用途によって様々です。例としてはアナグリフ方式、偏光メガネ方式、液晶シャッタ方式、レンチキュラー方式などが挙げられます。
今回の立体視の映像制作では、
液晶シャッタ方式
を扱いました。
2.2 液晶シャッタ方式の投影方法
液晶シャッタ方式では専用のメガネが必要となります。画面では右目用の画像と左目用の画像が高速に交互に入れ替わっています。メガネは画面に同期しており、二つのレンズそれぞれにシャッタがあります。画面に右目用の画像が表示されているときは左目用のレンズにシャッタが下り、左目用の画像が表示されているときは右目用のレンズにシャッタが下りるようになっています。
この方式は専用のメガネが必要とはなるものの、投影機が2つ必要であったり、専用のディスプレイが必要だということはなく、普通のディスプレイで表示が可能です。そのため、制作環境を整えるのがほかの方式に比べて安価となります。しかしながら欠点もあります。それは、画面を見る際に、シャッタが開いたり閉じたりしているため画面にちらつきを感じてしまう事です。
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3.1. 登場キャラクター
今回の作品では、主人公として男女のキャラクターを登場させています。
図3-1 男性A制作段階
図3-2 男性A完成
図3-3 女性A制作段階
図3-4 女性A完成
3.2. 人型装甲機動兵器・世界観
主人公の乗り物、またその敵としての人型装甲機動兵器を制作しました。これにより規模の大きい立体視の表現が可能となりました。
図3-5 人型装甲機動兵器
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今回の映像を制作するにあたり、キャラクターの素早い動きや、激しいカメラアングルの映像を立体視にしたため、画面が複雑になってしまいました。<
そのため、より立体視をわかりやすく、見えやすくするための改善を行っていきました。具体的には、空間上にあるオブジェクトを近景、中景、遠景、といった
奥行きの階層ごとに配置
していきました。
図4-1 空間配置
作品の背景にビル群を配置することで、立体視を感じやすいカットを制作していきました。
図4-2 空間構成
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立体視用のカメラワークの設定は、左目用のカメラと右目用のカメラを一定の距離を保ちつつ同じように動かなければいけません。したがって、二つのカメラを一つのダミーと親子関係にし、ダミーを動かせば二つのカメラも同時についていく設定のプラグインを用いてカメラワークを設定しました。
図5-1 カメラワーク
カーブエディタでカメラワークの座標軸上での移動量に差をつけていきました。そのことにより、各フレームでのカメラの移動量が異なり、カメラワークに緩急をつけることができました。
図5-2 カーブエディタ
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図6-1 After Effectsによるエフェクトの追加
映像の迫力や動きをより印象的になるように、モーションブラーやぼかしなどのエフェクトを追加していきました。境界線が曖昧になることで立体視としての効果がなくなるなどの懸念がありましたが、問題なく立体視としてみることができます。
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今回の作品では両眼視差立体視を使った立体視の研究であるため、あえてモノクロ調の色彩設定を行いました。
背景とキャラクターが、同じ色になってしまうと境界線があいまいになり立体視としても見えにくくなります。そのため、モノクロ調にする際に、グレー等の中間色とのバランスを考えながら、配色を行っていきました。その中で、作品の雰囲気を考慮した色彩設定を行いました。
図7-1 色彩設計
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今回の作品を再生するアプリケーションにOLYMPUS POWER3D Media Playerを使用しました。
このアプリケーションは画像を再生する場合は左目用画像、右目用画像それぞれを別に読み込む事ができます。しかし、動画の場合は二つの動画を左右、もしくは上下につなげた状態のものでないと読み込めません。
図8-1 OLYMPUS POWER3D Media Playerの設定画面
そのため、左目用の映像と右目用の映像を別々に制作し、最後に二つの映像をつなげるといった処理をAdobe Premiere Pro CS4を用いて行いました。
図8-2 Adobe Premiere Pro CS4 の設定画面
立体視映像再生のための設備として、オリンパスグループ・オリンパスビジュアルコミュニケーションズ株式会社の
「PC用3D立体視聴キット」
を液晶モニターとセットにして設置しました。
「PC用3D立体視聴キット」は、3D立体コンテンツを制作するクリエーター向けに、3D立体映像再生ソフト・3Dシャッターメガネ・コントローラボックスの3点が同梱されています。
図9-1 PC用3D立体視聴キットのセット内容
オリンパス 公式ホームページ URL :
http://www.olympus.co.jp/jp/news/2009a/nr0902133dkitj.cfm
3D立体視聴キット紹介 URL :
http://www.ep-s.jp/3dkit/
以前まではクリエーターが、制作中コンテンツの立体感をパソコンモニター上で確認する手段がありませんでした。しかし、「PC用3D立体視聴キット」を利用する事で、クリエーターはCGソフトで制作途中の3D立体コンテンツを確認できます。そのため、その場ですぐに立体感を確認したり、視差調整ができるため、コンテンツ制作の作業効率が大幅に向上します。
図9-2 PC用3D立体視聴キット利用状況
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